暁斎の魅力を語る山口さん(右)と河鍋館長(中)。聞き手を務めた碧南市藤井達吉現代美術館長の木本館長=県水墨美術館

暁斎の魅力を語る山口さん(右)と河鍋館長(中)。聞き手を務めた碧南市藤井達吉現代美術館長の木本館長=県水墨美術館

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河鍋暁斎展で画家とひ孫対談 県水墨美術館

北日本新聞(2016年7月24日)

 県水墨美術館で開催中の企画展「鬼才-河鍋暁斎(きょうさい)展 幕末と明治を生きた絵師」で23日、緻密な作風で知られる画家の山口晃さん(東京)と、暁斎のひ孫で河鍋暁斎記念美術館(埼玉)の河鍋楠美(くすみ)館長の対談イベントが行われた。2人は暁斎が描いた線の特徴を挙げながら「新しい時代の芸術家」と魅力を語り合った。

 対談は「河鍋暁斎―圧倒的な画力と個性」と題して開催。碧南市藤井達吉現代美術館(愛知)の木本文平館長が進行役を務めた。後期展が始まって最初の週末とあって、県内外からファンが詰め掛け、会場は満席となった。

 対談前に展示作品を見た山口さんは「筆の動きにしびれた」と絶賛。暁斎と弟子の英国人、ジョサイア・コンドルを比べ「コンドルが枝を描いても線でしかない。暁斎の手に掛かれば枝になる。厚みや奥行きがまるで違う」と話した。

 河鍋館長は自身の美術館に暁斎の下絵が豊富にあることに触れ「暁斎は本画もいいが、下絵も面白い。線がさらに生きている」と断言。大英博物館で暁斎の企画展が開かれた際も、現地で下絵の線が評価されたとし「1本の筆で線の太い細い、濃い薄いを描き分けた。ヨーロッパの人たちは、そこに驚いた」と強調した。

 暁斎が没後、一時美術史から忘れられた存在になったことに話題が及ぶと、河鍋館長は「日本人は秀でていることが一つだけでないと評価されにくい。何でも描いてしまった暁斎は理解されなかった」と分析。山口さんは「人間は本来多様なもの。焦点が絞りきれないからこそ、新しい時代の芸術家だったと言える」と応じた。

 対談を聞いた高岡市末広町のアルバイト、高野美穂子さん(26)は「暁斎と同じ表現者である山口さんだからこそ聞ける話だった」と満足げ。福井県鯖江市の会社員、桂田文恵さん(45)は「暁斎は歴史上の人物だと思っていた。でも、ひ孫の河鍋館長の語り口に実際に生きた人なんだと実感した」と喜んだ。

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