「ヒッチキ」と呼ばれる男衆が体をぶつけながら踊った「和合の念仏踊り」

「ヒッチキ」と呼ばれる男衆が体をぶつけながら踊った「和合の念仏踊り」

長野県 伊那路

激しい動き、心地よい念仏 「和合の念仏踊り」阿南で始まる

信濃毎日新聞(2016年8月14日)

 長野県下伊那郡阿南町和合に約300年前から伝わる「和合の念仏踊り」(国重要無形民俗文化財)が13日夜、始まった。先祖の霊を迎えて豊作を祈るお盆の伝統行事。静かな山あいの集落に掛け声を響かせ、都市部からのI・Uターン者を含む地元の男衆約20人が舞い踊った。

 午後8時20分すぎ、熊野社境内で踊りの中心となる「庭入り」が始まり、かさをかぶった素足の男たちが輪になって舞った。厳かな笛と太鼓の音からテンポの速い拍子に変わると、竹で作ったささらと棒を手にした「ヒッチキ」と呼ばれる2人一組の踊り手が、「ヤートーセ」の掛け声とともに激しく体をぶつけ合ったり、跳びはねたりした。

 境内で念仏を唱えた後、和合の開拓者とされる宮下家と近くの林松寺でも同様の踊りを舞った。会場には地元住民のほか、県外の観光客らの姿も。愛知県岡崎市の会社員糟谷壮範さん(31)は「激しい踊りに神懸かったものを感じ、念仏は心地よかった」と話していた。

 念仏踊りは16日まで4夜続けて行われる。

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