カーテンコールであいさつする小澤征爾さん(中央)とファビオ・ルイージさん(右隣)=22日夜、松本市のキッセイ文化ホール

カーテンコールであいさつする小澤征爾さん(中央)とファビオ・ルイージさん(右隣)=22日夜、松本市のキッセイ文化ホール

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小澤さん、全身で指揮 OMF、県内外10カ所で生中継

信濃毎日新聞(2016年8月23日)

 松本市で開いているセイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)の最後のメイン公演で、総監督の小澤征爾さん(80)らが指揮するオーケストラ公演Aプログラムが22日、同市のキッセイ文化ホール(県松本文化会館)で開かれた。小澤さんはベートーベンの交響曲第7番を指揮。力を振り絞った指揮で躍動感あふれる曲を聴かせ、観客は総立ちになった。この日は県内外10カ所の「スクリーンコンサート」で公演を生中継した。

 Aプログラムは18日に続く開催。小澤さんは、前半の楽章間に椅子に座って水分補給する場面もあったが、最終の第4楽章では、こぶしを振り下ろすようなしぐさでサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)を勢いづけた。旋律が重なりながら高揚していく曲想を全身で表現。メンバーは腰を浮かせ、前のめりになるほどの熱演で応えた。

 カーテンコールで小澤さんは、オネゲルの交響曲第3番を指揮した米メトロポリタン歌劇場首席指揮者ファビオ・ルイージさんと手を取り合って登場。笑顔のメンバーと握手を交わし、互いに拍手でたたえ合った。総立ちになった聴衆の「ブラボー」の声に、何度も舞台上へ姿を現し、客席に向かって頭を下げた。

 県内のスクリーンコンサートは長野、松本、上田、駒ケ根市内で実施。5月に開館した長野市芸術館には約640人が訪れ、縦約4メートル、横約7メートルの大型スクリーンに小澤さんが映し出されると、大きな拍手が起きた。同市の生け花講師耳塚圭子さん(81)は「指揮者と演奏者の表情や手の先までよく見えて、生のオーケストラとはまた違って素晴らしかった」と話した。

 松本市の松本城公園には約300人が来場。オーケストラを導く小澤さんの姿に誰もが見入り、曲が終わると大きな拍手が起きた。同市の会社員山本馨さん(36)は「高齢にもかかわらず懸命に指揮し、いい演奏を聴かせてくれた。本当にすごいなと思った」と感激していた。

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