直親をかくまった松源寺。当時の建物は焼失し、現在は松岡城跡にある

直親をかくまった松源寺。当時の建物は焼失し、現在は松岡城跡にある

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来年の大河「直虎」ゆかりの高森 町ぐるみでPRへ

信濃毎日新聞(2016年8月23日)

 来年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主人公で、戦国時代に遠江(静岡県西部)を治めた女性領主、井伊直虎とゆかりのある下伊那郡高森町で、大河ドラマを通じた地域活性化を目指す動きが進んでいる。観光客増による経済振興や郷土史を見直すきっかけに―と、町は受け入れ態勢などの整備に乗り出す。今年のNHK大河ドラマ「真田丸」の盛り上がりに続こうと期待が膨らんでいる。

 直虎は22代井伊家当主、直盛の一人娘で、徳川家康に仕えて勇名をはせた井伊直政の養母=関係図参照。父のいとこにあたる直親(幼名・亀之丞(かめのじょう))とはいいなずけの関係だったというが、直親は井伊家が影響下にあった今川義元に命を狙われて遠江から脱出した。この直親を9歳から10年余りかくまったのが、現在の高森町一帯を治めていた豪族の松岡氏や同氏が地元に創建した松源寺だった。

 その後、井伊家に戻った直親を含めて戦乱の世で家督を継ぐべき男子が次々と亡くなっていく中、出家していた直虎が井伊家の領主に。直親の遺児でまだ幼かった直政の後見人となって家を支えた。直虎が育て上げた直政は後に、徳川家によって領地を没収された松岡氏を引き取り、実父直親が受けた恩に報いたという美談も伝わっている。

 ドラマでは、直虎役を柴咲コウさん、直親役を三浦春馬さんが務める。

 町歴史民俗資料館「時の駅」は現在、直虎の特別展を開催。直親所有とされる短刀や笛など関連の資料約80点を展示し、町外からの来館者は例年の2倍ほどになっているという。松上清志館長(65)は「ドラマを通して郷土の歴史にも関心を持ってもらえるようになる」と期待する。9月4日まで。

 松岡氏が拠点とした松岡城跡(高森町下市田)にある松源寺にも、浜松市を中心に歴史ファンが月20人ほど訪れている。住職の市瀬良樹さん(33)は「放送が始まれば(対応が)大変になるかも」としつつ、「交流が生まれるのは大変ありがたい」。

 高森町は町内の各種団体、事業者と連携し、町ぐるみで「直虎ゆかりの地」をPRして、誘客につなげる方法を検討する打ち合わせ会議を組織。23日には、郷土史の研究会や飲食業者ら10団体余りが集まって1回目の会合を開く。町内では、既にのぼり旗が登場している。

 直虎ゆかりの自治体の関係者が集い、情報発信や連携強化を目指して26日に浜松市で初めて開かれる「直虎フォーラム」にも参加する予定だ。町産業課は「直虎を目的に訪れた観光客に、自然景観や市田柿など、町の別の魅力を知ってもらうきっかけにもしていきたい」としている。

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