幽玄の舞台で観客を魅了した高岡薪能の「殺生石」=高岡市民会館

幽玄の舞台で観客を魅了した高岡薪能の「殺生石」=高岡市民会館

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夏の夜に幽玄の舞台 高岡薪能

北日本新聞(2016年8月29日)

 第34回高岡薪能(たきぎのう)は28日、高岡市民会館で開かれ、重要無形文化財保持者(総合指定)ら第一線で活躍する能楽師が、夏の一夜にふさわしい伝統と幽玄の美あふれる舞台を繰り広げた。

 台風の接近に伴う天候不順が懸念されたため、会場を恒例の国宝瑞龍寺から市民会館に変更した。同館での開催は7年ぶり。

 上田博高岡能楽会理事長、同会長の高橋正樹市長があいさつ。金井雄資(ゆうすけ)師の曲目解説に続き、上演が始まった。

 舞囃子(まいばやし)「融(とおる)」、仕舞「三山(みつやま)」「善知鳥(うとう)」が演じられ、大坪喜美雄師、金森秀祥(ひでとし)師らが円熟した所作を披露。狂言「梟山伏(ふくろうやまぶし)」では、フクロウの精にとりつかれる様子がユーモラスに演じられ、笑いを誘った。

 瑞龍寺の四津谷道宏住職らの先導で水口清志高岡市議会議長、板倉北日本新聞社長、中西修富山テレビ放送社長らが火入れの儀を行った後、能「殺生石(せっしょうせき)」が上演された。

 平安時代の玉藻前(たまものまえ)伝説を題材にした、近づく者の命を奪う石になった妖狐(ようこ)の物語。佐野由於(よしお)師がシテを務め、妖狐の怨念が晴れ、最後に成仏するさまを演じた。白髪を振り乱しながらの鬼気迫る舞に、観客はじっくりと見入った。

 薪能に先立ち、高岡能楽会の会員が素謡を披露した。

 同会主催、高岡市、市教委、北日本新聞社、富山テレビ放送共催。

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