北安曇郡白馬村などは30日、北アルプス白馬岳への主要登山道である白馬大雪渓を9月1日から通行止めにすると発表した。雪不足の影響で雪渓の所々に割れ目があり、崩落の恐れもあるため、登山者の安全を確保できないと判断した。通行止めの期間は未定。村観光局は「雪不足による大雪渓の通行止めは異例。観光への影響もあるが、登山者に理解を求めたい」としている。
今季は白馬連峰の開山祭があった5月から登山道の雪が少なく、その後も例年より2週間ほど早いペースで雪解けが進んだ。村や北ア北部地区山岳遭難防止対策協会、大町署などの関係者が29日に大雪渓を視察し、村役場で協議して通行止めを決めた。今後は遭対協の隊員が雪渓の状況を確認し、安全が確認できたところで通行止めを解除する。
白馬岳への登山道はほかに、猿倉登山口から白馬鑓温泉を経て白馬鑓ケ岳から縦走する道や、ゴンドラとロープウエーを乗り継いで栂池自然園まで行き、白馬大池などを経由して向かう道がある。
遭対協白馬班の松本正信隊長は「事故があってからでは遅い。登山者の安全を最優先した」と話している。