立山連峰を背景に富山湾を描いたびょうぶ(左)など石崎作品が並ぶコーナー

立山連峰を背景に富山湾を描いたびょうぶ(左)など石崎作品が並ぶコーナー

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石崎光瑤、10代のびょうぶお目見え 福光美術館

北日本新聞(2016年9月8日)

 南砺市福光美術館の常設展示が7日から一新され、福光地域出身の日本画家・石崎光瑤(こうよう)が10代で描いたとされるびょうぶ「富山湾真景図(しんけいず)」がお目見えした。精密に描かれた波や立山連峰の風情から、幼少の頃の優れた技巧と画業の原点がうかがえる。

 石崎は華麗な花鳥画で知られる。びょうぶは高さ173センチ、幅346センチの2点の組み合わせで、7月に購入してから初の公開となる。家や洋館が立ち並ぶ高岡市伏木の海岸沿いと、海の向こうに能登半島が見える雨晴海岸の風景が描かれ、立山連峰をバックに、きめ細かに表現された波しぶき、小舟に乗る人々の姿が目を引く。1898(明治31)年ごろの制作とされ、「光瑤」の号を受けた直後の14歳にあたる。

 色鮮やかな花の間を飛び交うインコを描いた1919(大正8)年の帝展特選作「燦雨(さんう)」など円熟期の作品9点も並び、作家としての足跡が浮かび上がる展示内容となっている。片岸昭二館長は「石崎の画業にもっと光を当て、魅力を発信できたらいい」と話している。

 福光地域に疎開していた板画(はんが)家、棟方志功が仏教学者の言葉「宿業者是本能則感應道交(しゅくごうはこれほんのうすなわちかんのうどうこう)」を書き入れたふすまなども合わせて展示され、真宗王国の風土と絡む志功の精神性を伝えている。

 福光美術館は定期的に常設展示作品を入れ替えており、今回の展示は12月12日まで。

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