アトリエで作品を制作するジュディ・オング・倩玉さん

アトリエで作品を制作するジュディ・オング・倩玉さん

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ジュディ・オングさんの木版画ずらり 福井市美術館企画展

福井新聞(2016年9月14日)

 台湾出身で歌手、女優として活躍するジュディ・オングさんの木版画家としての顔を紹介する企画展「ジュディ・オング倩玉(せいぎょく) 木版画の世界展」(福井新聞社共催)が17日、福井市美術館で開幕する。伝統的な日本家屋や花をモチーフに、大胆な構図と力強い線で日本の風景美を表現した100点を並べる。

 小さなころから絵を描くのが好きだったジュディさんは、25歳のときに棟方志功門下の版画家、井上勝江さんの作品に衝撃を受け、師事して木版画を始めた。忙しい芸能活動の合間を縫って、「ジュディ・オング倩玉」の雅号で活動。下絵から彫り、刷りまでの全工程を自ら手がけ、日展特選1回、入選14回を数える本格的な女流作家として評価を得ている。

 時代劇の撮影で京都を訪れるようになり、日本家屋に魅せられた。江戸時代に建てられた名古屋の老舗料亭の趣あるたたずまいを精緻に再現した「紅楼依緑(こうろういりょく)」(2005年)は、日展特選に輝いた作品。ベンガラ色の壁と木々の緑、瓦や柱の黒を鮮やかに対比させている。

 幼いころから親しみ、「私の人生の中で途絶えたことはない」と語る花も好んで描いているモチーフ。京都で見かけた赤い菊を描いた「てんぎく」(1993年)には、独自の色彩感覚が息づく。木版画のほかに、水彩画や鉛筆画も展示する。

 17日には、同美術館でジュディさんのミニトークとサイン会がある。午前11時、午後2時からの2回で、それぞれ1時間前から整理券を配布する(本展の観覧券が必要)。

 企画展は11月6日まで。観覧料は一般千円(前売り800円)、高校・大学生700円、小中学生500円。問い合わせは福井市美術館=電話0776(33)2990。

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