「卞和璞を抱いて泣く」の前で話す中村初子さん(左)ら

「卞和璞を抱いて泣く」の前で話す中村初子さん(左)ら

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「生誕150年中村不折展」開幕 足跡たどる書と絵 信州高遠美術館

信濃毎日新聞(2016年9月18日)

 伊那市高遠町で幼少期を過ごした画家・書家の中村不折(ふせつ)(1866~1943年)の足跡を紹介する「生誕150年中村不折展」(信濃毎日新聞社など後援)が17日、同市の信州高遠美術館で始まった。10月30日までの期間中、油彩画や日本画、書など多彩な不折の作品を展示替えしながら計57点紹介する。

 中国春秋時代の故事を描き、不折から寄贈を受けた油彩画「卞和璞(べんかたま)を抱いて泣く」など、同館所蔵の不折作品を全て展示。不折の作品や書のコレクションを所蔵する東京都台東区立書道博物館も、不折の最初の書道作品「龍眠帖(りゅうみんじょう)」などを出品している。

 この日の開幕式典には、不折の孫の中村初子さん(81)=東京都台東区=が出席。初子さんが8歳の時に不折が亡くなったといい、「小さい頃、デッサンのモデルになったこともある。着物のしわまで細かく調べて書き写していた」と振り返っていた。

 信州高遠美術館の武井文一館長(67)は「さまざまなジャンルの作品があり、資料と合わせて見学し、理解を深めてほしい」と話している。

 展示は午前9時~午後5時。毎週火曜と今月21、23日、10月12日休館。問い合わせは同館(電話0265・94・3666)へ。

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