丸岡城天守のふもとに本多成重のかかしを設置する岡上さん=3日、福井県坂井市

丸岡城天守のふもとに本多成重のかかしを設置する岡上さん=3日、福井県坂井市

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丸岡城下を「かかし」が案内 歴代城主らモデル11体

福井新聞(2016年10月4日)

 福井県坂井市は3日、丸岡城天守周辺や城下のコミュニティセンターなど5カ所に、本多成重ら歴代城主や足軽などをかたどった「かかし」11体を設置した。天守を訪れた観光客の記念撮影スポットなどに活用するとともに、周辺散策への誘導を目的にしており、来春までにさらに10体程度を増やす。

 兵庫県姫路市の「奥播磨かかしの里」で、限界集落の村おこし活動として130体を展示している岡上正人さん(64)=同市=が制作した。岡上さんのかかしは、世界遺産で国宝の姫路城入場口にも展示されている。身長は150~160センチ程度で、木材の骨組みに新聞紙を巻き付けて肉付けした。布で作った表情はいずれもほのぼのとした仕上がりになっている。

 この日は岡上さんが現地で設置作業に当たった。天守ふもとの一筆啓上茶屋前には「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」で知られる本多重次と息子の仙千代(後の初代丸岡藩主本多成重)を設置。丸岡歴史民俗資料館近くの石階段登り口には甲冑(かっちゅう)姿の成重が構え、設置後には早速記念撮影を楽しむ観光客の姿が見られた。門番役の足軽2体も天守近くの券売所に配した。

 丸岡城から周辺のまち歩きに誘導しようと、城下にもかかしを設置した。城のまちコミュニティセンターには丸岡城を築城した柴田勝豊らを配置。見張りの忍者が2階ベランダから顔をのぞかせる遊び心もある。近くの酒店にはほろ酔い姿の町人かかしを置いた。

 岡上さんは「村おこしで作り始めたかかしがこのような形で活用されるのはうれしい。観光客がかかしと一緒に記念撮影をして楽しんでもらえれば」と話していた。

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