「去年は練習! 今年が本番やざ‼」「返り討ちにしてあげるわいね‼」。福井県と石川県の"県境を懸けて"戦う「第2回越前・加賀県境綱引き」が23日、あわら、加賀両市にまたがる県境の館(あわら市吉崎2丁目)の前で行われる。昨年、加賀の国に圧倒された越前の国は悔しさを力に変えて、県境を引き戻そうと意気込んでいる。
両市観光協会や県境付近の住民らが昨年に続き企画。加賀の国の女神様と越前の国の男の神様が、北潟湖畔の「鹿島の森」をめぐり綱引きをした神話にちなむ。昨年は大差で越前の国が敗北。この催しのために作られた「県境モニュメント」が1メートル越前の国側に移動し、"領地"を奪われた。
ことしは選抜メンバーによる「神話綱引き」だけでなく、小学生、中学生、一般の各部の全試合が、勝敗に影響する。市民の団結と熱意が"県境を動かす"。
両県三つの部に計11チームがエントリー。1試合30秒の3本勝負を予定している。午前10時のオープニングの後、同10時45分から競技開始。午後2時から、それぞれ男と女の神様に扮(ふん)した橋本達也あわら市長、宮元陸加賀市長率いる選抜メンバーの「神話綱引き」で勝敗が決まる。
加賀の国代表の小中出(こなかで)佳津良さん(61)は「気を抜かず今年も余裕で勝ちます」と笑顔を見せ、越前の国代表の三上徹さん(48)は「勝利しなければ地元に帰れない。必ず県境を取り戻す」と力を込める。
当日は加賀市の塩屋海水浴場駐車場と県境の館をつなぐ無料シャトルバスが、午前9時半から午後3時半の間で随時運行される。また会場には飲食のブースが並ぶほか、午後1時40分からは、蓮如上人ゆかりのシャシャムシャ踊り(加賀市指定無形民俗文化財)が披露される。問い合わせは吉崎公民館=電話0776(75)1205。