来館者に円空仏について説明する林館長(右)=猪谷関所館

来館者に円空仏について説明する林館長(右)=猪谷関所館

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細入の円空仏一堂に 猪谷関所館

北日本新聞(2016年10月18日)

 富山市細入地域で確認された木彫りの「円空仏(えんくうぶつ)」全24体を一堂に集めた特別企画展「祈りを彫る円空」が、同市猪谷(細入)の市猪谷関所館で開かれている。素朴で柔和な独特の表情が特徴で、全国に愛好家が多くいるという。林真務(まさみち)館長は「全てがそろう機会は、めったにない。円空仏の魅力に触れてほしい」と話している。

 円空仏は、江戸初期の美濃(岐阜県)に生まれた僧、円空が手掛けた神仏の像。円空は立山登拝のため越中を訪れたこともある。32歳で彫り始め、64歳で亡くなるまで全国を巡って約12万体を作ったとされ、うち5千体余りが確認されている。県内には30体あり、うち24体が細入地域の猪谷、蟹寺、庵谷、加賀沢の民家や寺社で見つかった。

 猪谷関所館はその中の8体を常設展示している。今回は、円空仏を保管する住民と寺社の協力を受けた。地域と隣り合う岐阜県飛騨市神岡町の個人からも2体が寄せられ、計26体を並べた。観音菩薩(ぼさつ)や白山神があり、高さは3・9センチから51センチと幅広い。

 解説パネルは円空学会理事長の小島梯次さんが協力。円空仏の切り絵も富山市片掛(細入)の圓龍寺(えんりゅうじ)から提供を受け展示している。

 30日午後1時半から、小島さんが円空をテーマに同館で講演する。事前申し込みが必要。企画展は11月20日まで。月曜と祝日の翌日休館。問い合わせは同館、076(484)1007。北日本新聞社後援。

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