福井県大野市上打波の刈込池は、秋の盛り。ケヤキやブナの木々が深みのある赤や黄色に衣替えし、水の鏡に姿を映している。

　「風よ吹くな」「雨よ降らないで」―。葉っぱたちは、ひそひそささやく。水面が揺れると、おめかしした姿が見えなくなってしまうから。

　山のファッションショーを、散策客が見守る。２５日、福井市から訪れた北絹枝さん（６６）ら女性３人は「今日は三ノ峰まで見えなくて残念」「でも、きれい」とシャッターを切っていた。

　見頃は週末ごろまで続く見込み。大野市商工観光振興課によると、この秋は赤色がやや目立たないという。

　刈込池は標高１１００メートル付近にあり、周囲約４００メートルが広葉樹に囲まれている。同市西勝原のＪＲ勝原駅から約２０キロ。駐車場のある小池公園から山道を歩いて約１時間かかる。