越前大仏で知られる福井県勝山市片瀬の大師山清大寺大仏殿に、三重県の彫刻家、ふじい忠一さん(75)が25日、木のオブジェ2体を設置した。越前大仏の新たな"顔"となりそう。
ふじいさんの作品は巨木を曲げた形が特徴で、1980年代から国内の現代彫刻展に出品、海外にも紹介されている。
ただ作品が大きいことから展示が難しく、人の目に触れる機会は少ないという。ふじいさんが大仏殿の大きな空間を知り、清大寺に寄贈を働き掛けた。
この日はクレーン車で作品を搬入。約1時間かけて大仏の両脇に2作品を慎重に設置した。
2作品は曲げられた杉の巨木の上に、5メートルの杉の巨木が載るダイナミックなもの。ふじいさんは「展示できる場がようやく見つかった」と満足そうに作品と大仏の"コラボ"を眺めていた。
同寺の山川宗玄老師は「大型美術品の寄贈を受けるのは初めて。実際に設置された様子も(大仏殿に)違和感はないのでは」と話していた。