干し場につるされたみずみずしく色鮮やかな柿=4日、高森町吉田

干し場につるされたみずみずしく色鮮やかな柿=4日、高森町吉田

長野県 伊那路 特産

飯伊の秋、ギュッと詰め込み 干し柿作り本格化

信濃毎日新聞(2016年11月5日)

 飯田下伊那地方で特産の干し柿の加工作業が本格化している。このうち高品質の物を「市田柿」と名付けて出荷する。市田柿は7月、国が地域ブランドを保護する「地理的表示保護制度(GI)」に登録され、生産農家にはかび発生を防ぐ手だてなど、より衛生管理の徹底が求められている。農家など関係者らは登録を機に知名度が上がり、観光誘客、消費拡大につながることを期待している。

 飯田の最低気温が1・7度で今季最低となった4日、下伊那郡高森町吉田の農業中塚博明さん(80)は、家族や近所の人の協力を得て皮をむいたり、柿すだれを作ったりした。干し場の換気には細心の注意を払っているという。

 中塚さんが所有する柿の木は約150本。毎年10トンほど収穫するが、市田柿として出荷できるのは2トンほど。中塚さんは「この時期は毎年忙しく大変だが、(GIに)登録されたことで収入増につなげたい」と話す。

 同町出原の農産物直売所「旬彩館」には地元農家から譲り受けた柿約4200個でできた柿すだれが並ぶ。みなみ信州農協(飯田市)によると、市田柿の出荷は12月下旬に始まり、今季の出荷量は昨季並みの1200トンを見込む。

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