5カ国8人の作品が並ぶ国際漆芸展示会=15日、福井県鯖江市うるしの里会館

5カ国8人の作品が並ぶ国際漆芸展示会=15日、福井県鯖江市うるしの里会館

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漆芸、5カ国精鋭が出品 鯖江で国際展 伝統融合も

福井新聞(2016年11月16日)

 世界各国の漆芸家や研究者の作品を並べた国際漆芸展示会「三田村有純と各国の精鋭たち ~漆芸 未来への提言 二〇一六~」が15日、福井県鯖江市のうるしの里会館で始まった。各国の伝統文化に日本の技を織り交ぜた漆画や、現代的な意匠の漆器など、漆芸の新たな可能性を感じさせる16点を展示している。12月10日まで。

 漆文化の国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産登録を目指す越前漆器協同組合が、地元漆器職人の新たな着想につなげようと企画。漆芸家の三田村有純・東京芸術大教授を含め、同大で漆芸を学ぶ研究者ら5カ国の8人が出品した。

 ベトナム美術大講師のトゥルー・カーン・ティエンさんの漆画「波」は、金色の蒔絵(まきえ)で豪快に荒波を表現し、漆黒の背景にはうっすら青みを帯びた山が浮かぶ。鮮やかな色彩が特徴のベトナム漆画と日本で学んだ伝統漆芸の技が融合された逸品だ。

 オランダ国立美術館の研究員デイヴ・ファン・ゴンペルさんの「突風」と題した漆黒の皿は、風に流れる葉のような形をしたおしゃれなデザイン。一隅に点状の金の蒔絵が施されており、モダンさの中にも伝統の技が光っている。

 三田村教授も江戸蒔絵の伝統技術を駆使した立体造形を出品。このほか、拭き漆を施した丸い木の上に乾漆でかたどった少女が立つユニークなオブジェや、同市河和田地区で漆器業を学んでいるブータン研修生の作品もある。

 会場では漆文化の未来へ向けた出展者の提言をまとめた冊子も配布している。

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