飯田市上村の中郷地区の正八幡宮で12月3日に開かれる「遠山の霜月祭り」(国重要無形民俗文化財)に向けて、地元住民有志らが舞の練習を始めている。14日夜には中郷コミュニティセンターに20人ほどが集まった。
霜月祭りは太陽が衰えるとされる旧暦の11月(霜月)に、正八幡宮を含めた遠山郷(上村・南信濃)の9地区の神社で開かれる。神社の中に設けられた湯釜を中心に湯立て神楽が披露され、八百万(やおよろず)のお面をかぶった「面(おもて)」が登場しクライマックスを迎える。
中郷地区の9月末時点の地区人口は77人で上村4地区の中で最も少ない。伝統芸能を後世に伝えようと、地区外に呼び掛けて舞い手を募っており、2回目となった14日の練習にも地区外から4人が参加。鈴と扇子を持ち神々を迎える準備をする「産土の舞」などを練習した。
介護福祉士の小笠原学さん(28)=飯田市上久堅=は5年ほど前から、湯立て神事の神秘的な様子を見ることが好きで参加している。「毎年この時季が来るのを心待ちにしている。地域の伝統が引き継くために協力したい」と話した。
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霜月祭りは12月1日に始まる。上村の中郷地区を含めた今季の日程、場所、進行スケジュールは表の通り。