シーズン開始が宣言され、競りに掛けられる「ひみ寒ぶり」=氷見魚市場

シーズン開始が宣言され、競りに掛けられる「ひみ寒ぶり」=氷見魚市場

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「ひみ寒ぶり」宣言、1130本水揚げ

北日本新聞(2016年11月25日)

 氷見漁港に25日、氷見、七尾沖の定置網に入ったブリ1130本が水揚げされた。氷見魚ブランド対策協議会(会長・森本太郎氷見漁協組合長)の判定委員会は「安定出荷が見込める」として、「ひみ寒ぶり」漁の開始を宣言した。昨シーズンは不漁で宣言を見送っており2年ぶりの宣言に、浜は大いに活気づいた。

 氷見市比美町の氷見魚市場には専用ののぼり旗が立てられ、七尾沖で水揚げされたものを中心に7~12、13キロ台のブリが数多く並んだ。16、17キロ台の大物もあり、競り人の威勢のいい声が響く中、次々に競り落とされた。商標入り専用箱と販売証明書を付けて県内外へ出荷された。

 仲買人たちは「待ちに待った宣言。形もいい」と声を弾ませた。森本組合長は「まずはひと安心。お歳暮に間に合って良かった」と話し、「今後もこの調子でいきたい」と期待した。

 「ひみ寒ぶり」は2011年度に制度を導入。6キロ以上を基準とし、氷見漁協などでつくる判定委員会が大きさや本数などを総合的に判断し、漁開始を宣言している。今シーズンは11月中旬から、数百本単位の水揚げがあった。


■2年ぶりの宣言、まちに活気
 漁業のまち氷見の代名詞・寒ブリのシーズンが25日、到来した。2011年度に「ひみ寒ぶり」制度を導入後、全国の注目を一層集めるようになった富山湾の海の幸。昨シーズンは不漁で初めて漁の宣言ができなかっただけに、関係者から今後の大漁やにぎわいを期待する声が上がった。

 「ブリ宣言出ましたよ」。氷見市北大町のひみ番屋街にある鮮魚店には早速、販売証明書の付いた7~9キロ台のブリが並び、店員がPR。観光客が「すごい」「大きいね」と足を止めて見入っていた。

 番屋街を運営する氷見まちづくりの尾町和広執行役員事業部長は、北陸新幹線の開業効果があった前年並みに団体予約が入っているとし「寒ぶり宣言は売り文句になり、タイミングもいい。インターネットやメディアで広く発信していきたい」と力を込めた。

 市内の鮮魚店では需要が高まってきており、娘を嫁に出した親が嫁ぎ先に歳暮で贈る「嫁ブリ」の風習も控える。同市伊勢大町で店を経営する角治さん(69)は「昨シーズンは宣言が出ず、2年続くと客が離れてしまわないかと心配していた。宣言が出て、ホッとした。形はいいし、自信を持って商売できる」と話した。

 市観光協会によると、民宿や旅館など約40施設は来年1月末まで、週末を中心に例年並みに予約で埋まり、平日は10人前後のグループの忘年会での利用が目立つという。

 県外からもブリ漁の状況について問い合わせがあり、「昨年宣言がなかったから今年こそ行きたい」といった声も。松原勝久会長は「ブリは日本、世界に誇れる宝。地元の料理人が技を駆使した品を氷見で食べてもらいたい」と期待した。

 市は市庁舎1階正面玄関に情報掲示板を設置し、当日の漁獲本数とシーズン累計を漁終了まで案内する。

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