堀辰雄の「魂を鎮める歌」の自筆原稿

堀辰雄の「魂を鎮める歌」の自筆原稿

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堀辰雄、自筆原稿あった 軽井沢の記念館、12月公開

信濃毎日新聞(2016年11月26日)

 作家堀辰雄(1904〜53年)が、古典作品を引用しつつ文学の在り方について述べたエッセー「魂を鎮める歌」の自筆原稿1枚が見つかり、北佐久郡軽井沢町が25日までに、堀辰雄文学記念館に収蔵した。原稿は現存しないとみられていたといい、記念館は貴重な資料として、12月1〜13日に公開する。

 自筆原稿は400字詰め。黒のペン書きで表題と副題、堀の名前に続き、「今夜、伊勢物語を披(ひら)いてをりました」などと記され、伊勢物語の一節が途中まで書かれている。堀による修正、加筆箇所や、「一行アキ」など編集側が記載したとみられる赤い文字もある。

 「魂を鎮める歌」は、伊勢物語や万葉集、オーストリアの詩人リルケの作品の一節を引用しつつ、文学と対峙(たいじ)する内容。堀の代表作「風立ちぬ」完成2年後の1940(昭和15)年、「文藝(ぶんげい)」6月号に掲載された。

 記念館によると、自筆原稿の存在は今春、東京都内の古書店から情報が寄せられた。町在住の堀辰雄研究者、池内輝雄さん(78)が字体などから堀の筆跡と判断。町が6月に購入した。

 「ダイナミックで力強い筆致。体調が良かったころに書かれたのではないか」と記念館の土屋公志館長(51)。見つかったのは1枚だけだが、池内さんは「作品がどのように作られたかを知る重要な手掛かり」としている。

 原稿は、12月13日まで記念館で開催中の企画展「堀辰雄と読書―日本文学編」で展示する。水曜定休。大人400円、高校生以下200円。問い合わせは記念館(電話0267・45・2050)へ。

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