客数が80万人を割り込んだ黒部峡谷鉄道=黒部峡谷の新山彦橋

客数が80万人を割り込んだ黒部峡谷鉄道=黒部峡谷の新山彦橋

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天候不順でトロッコ客80万人割れ 黒部峡谷鉄道

北日本新聞(2016年12月3日)

 黒部峡谷鉄道(黒部市黒部峡谷口)は2日、今年のトロッコ電車の乗降客数を発表し、前年比11・7%減の71万77人(速報値)で2年ぶりに80万人を割り込んだ。同鉄道は、北陸新幹線の開業効果が一段落したことや、黒部川上流の不帰谷(かえらずだに)の土砂流出、台風による大雨などを原因に挙げた。今年は立山黒部アルペンルートの入り込み客も前年比7%減となり、県観光課は秋の天候不順が響いたとみている。

 今シーズンは4月20日に宇奈月-笹平間で営業運転を開始し、5月1日に欅平(けやきだいら)までの全線が開通した。11月30日に営業運転を終了した。

 全線開通が昨年より約1カ月早まったことなどから5月末までは好調だったが、6月以降、団体、個人ともに客足が伸び悩んだ。新幹線開業2年目で広告やメディアの露出が減ったことに加え、不帰谷の土砂流出で鐘釣(かねつり)駅近くの河原の露天風呂が利用できなくなったことや、黒部峡谷上流付近での小規模群発地震、台風16号の大雨による運休などが響いた。

 乗降客のうち、外国人は前年比6・1%増の4万3624人で過去最高を記録。国・地域別では台湾が2万2080人でトップ、韓国1万8076人、香港1168人と続いた。

 昨年は新幹線開業効果などで5年ぶりに80万人を突破。今シーズンは昨年を上回る85万人の利用を見込んでいた。

 今年は立山黒部アルペンルートでも入り込み客数が92万2千人と伸び悩んだ。県観光課の砂原賢司課長はアルペンルートと黒部峡谷鉄道とも「9~10月の行楽シーズンに台風や大雨が続き、急きょキャンセルした個人客が多かったのではないか」とし、北陸新幹線効果については「ピークに比べ落ち着いてきたが、需要は続いている」とした。

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