山下館長(左)の説明を聞きながら見学する入善町連合婦人会のメンバー=城端曳山会館

山下館長(左)の説明を聞きながら見学する入善町連合婦人会のメンバー=城端曳山会館

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無形文化遺産 登録後初の週末 観光客ら展示施設へ

北日本新聞(2016年12月4日)

 「高岡御車山(みくるまやま)祭の御車山行事」「魚津のたてもん行事」「城端神明宮(しんめいぐう)祭の曳山(ひきやま)行事」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に決まってから初めての週末を迎えた3日、県内の展示施設に観光客らが続々と訪れ、華やかな山車(やま)や祭りを支える伝統に感激した様子だった。地域の盛り上がりを肌で感じている市民や関係者からは「地元のアピールになる」「にぎわいにつながって」などと期待の声が上がった。 

 日本時間1日に無形文化遺産に認められたのは、県内三つの祭りを含めた18府県33件の「山・鉾(ほこ)・屋台行事」。地域住民が力を合わせて運営を続けてきたことなどが評価されたという。

 南砺市の城端曳山会館には団体客や家族連れが絶え間なく来館し、入善町連合婦人会の16人は山下茂樹館長から説明を受けて見学した。曳山を間近で眺めた会長の小路みつ子さん(83)は「何百年も祭りを守ってきた地域の絆に感動した」。家族と訪れた金沢市の会社員、藤田治彦さん(59)は「本番の祭りも見に行きたい」と笑みをこぼした。

 魚津市のありそドームには入り口にたてもんが展示してある。同市東尾崎の森内博之さん(65)は友人との会話をきっかけに、たてもんを見に来た。「市はもっとたてもんをアピールして新たな魅力を打ち出してほしい。若い人たちも巻き込み、みんなで盛り上がっていくような動きがあればいい」と期待した。

 「市民の誇り」と力を込めるのは高岡市江尻の会社員、上田歩史さん(39)。同市の高岡御車山会館を訪れたのは3回目だ。同館では小馬出町の山車を現在展示しており、同町に住む保存会理事の宮岡秀明さん(81)は「きれいな山車を多くの人に見てほしい。にぎわい創出のきっかけになるはずだ」と喜ぶ。林昌男館長は「ユネスコというネームバリューを集客につなげていく」と意気込んだ。

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