県内3件の祭りが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたことを受け、県と高岡、魚津、南砺の3市は4日、高岡市の高岡テクノドームで「富山の曳山(ひきやま)魅力推進大会」を開いた。関係者は曳山映像の上映や各保存会によるお囃子(はやし)で登録を祝い、国内外への魅力発信に向けて連携強化を誓った。
ユネスコに一括登録されたのは、富山県の「高岡御車山(みくるまやま)祭の御車山行事」「魚津のたてもん行事」「城端神明宮(しんめいぐう)祭の曳山行事」を含む18府県33件の「山・鉾(ほこ)・屋台行事」。全て国の重要無形民俗文化財に指定されている。
大会には約300人が出席。県内の祭りと同様に無形文化遺産になった岐阜県の高山祭(高山市)、古川祭(飛騨市)、大垣祭(大垣市)と、石川県の青柏祭(せいはくさい)(七尾市)の関係者も招き、飛越能で交流を深めた。
石井隆一知事が「飛越能の知恵とパワーを結集し、地域活性化につなげたい」と述べ、高橋正樹高岡市長、村椿晃魚津市長、田中幹夫南砺市長があいさつ。全国山・鉾・屋台保存連合会長の橘慶一郎復興副大臣、大野久芳県議会議長、大谷圭介文化庁伝統文化課長が祝辞を述べた。
曳山映像は300インチのスクリーンで上映され、祭りの由来や特徴を紹介。お囃子のステージでは太鼓や笛の音が鳴り響いた。
高岡御車山保存会(田井佳夫会長)、魚津たてもん保存会(海苔洋二会長)、城端曳山祭保存会(大西正隆会長)と、岐阜県の祭り関係者はステージで決意表明し、田井会長が代表して「登録を契機に連携、協力し、曳山の魅力を磨きたい」と宣言した。
会場では、5日から売り出されるユネスコ無形文化遺産にちなんだ記念切手が先行発売され、大勢の来場者が買い求めた。