阿賀町日出谷小の全校児童14人は3日、福島県会津若松市のJR会津若松駅で阿賀町のPR活動を行った。磐越西線の臨時快速「SLクリスマストレイン」(新潟-会津若松)で、同校児童が毎年行うおもてなし活動の一環として初挑戦。小さな「観光大使」は手作りのパネルを示しながら、食や酒、歴史ロマンあふれる名所などを精いっぱいアピールした。
日出谷小の児童は、磐越西線に蒸気機関車の営業運行が復活した1999年、機関士に地元の「当麻の清水」をプレゼントする給水活動を展開。JRとの交流は後輩に引き継がれ、クリスマストレインの野沢-日出谷駅間で毎年活動している。ことしは学校での地域学習の成果を発表しようと、SL列車の折り返し駅の会津若松駅でも活動することにした。
PR活動は改札口前とホームの2カ所で、それぞれ約20分間行った。昭和天皇や福島県出身の細菌学者、野口英世が日出谷駅を訪れたことを紹介。おいしいお米ができることも話題にし、町に二つある酒蔵の銘柄もアピールした。「やっぱ阿賀町の酒はうめーなー」と酔客のまねをするなど、時折小芝居も織り交ぜ、笑いを誘った。
会津藩家老、保科正興の墓や大規模修復工事を終えた国の重要文化財、護徳寺観音堂など日出谷の名所も取り上げた。最後に全員で「列車に乗って日出谷に来てください。お待ちしています」とあいさつすると、見物客から大きな拍手が送られた。
町の花、雪椿の商品を紹介した4年生(10)は「思ったより大勢が見てくれてびっくりした。阿賀町の良さをアピールできたと思う」と喜んだ。
復路のクリスマストレイン内では、サンタの帽子をかぶった児童が、雪椿の種や手作りのクリスマスカードなどを乗客に手渡した。
午後5時すぎ、列車はイルミネーションとキャンドルに彩られた日出谷駅へ。児童たちはホームに降り、新潟に向かうSL列車の乗客に手を振って見送り、一日の任務を無事に終えた。