蔵書が整理された段ボール箱から古書を確認する安念住職

蔵書が整理された段ボール箱から古書を確認する安念住職

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千光寺の古書6042冊整理完了 砺波土蔵の会

北日本新聞(2016年12月27日)

 砺波市芹谷の古刹(こさつ)、千光寺で、NPO法人砺波土蔵の会(尾田武雄理事長)が21年間進めてきた同寺所蔵の江戸初期から明治までの古書整理のボランティア活動がことし完了し、取り組みをまとめた冊子を刊行した。同寺はかつて学僧が教義を学ぶ学問所だったことから、6042冊と県内の寺院でトップクラスの蔵書数が系統的にそろっている。全国で1冊のみが現存する孤本「禅客鸞徒破会評決(ぜんきゃくらんとばえひょうけつ)」(上巻)などの貴重書もある。

 真言宗の千光寺は703(大宝3)年開基とされる。1969年に昭和天皇が砺波市の頼成山で開かれた全国植樹祭に出席後、同寺で休憩されたことに合わせ、多数あった和とじの古書が蔵に移された。

 同寺は砺波土蔵の会に依頼し、95年から会員ら約30人が整理を進めた。蔵書から見つかった「禅客鸞徒破会評決」は同寺の56世住職の空遍が真宗などの教義を批判した書物。他にも、法華経についての講義の注釈が書かれた古活字本「法華三大部私記」など貴重な書が見つかった。

 全体の3割が真言宗の関係書、同じく3割が仏教一般、残りが和書と漢籍で、カード式の目録に書名、著者名、大きさなどを記入した。1冊ごとに封筒に入れ、段ボール箱に収めた。

 指導した県公文書館の新田二郎さんの死去後、氷見市立図書館市史資料整理室の森越博副主幹がアドバイスしてきた。

 刊行した冊子は「千光寺での日々-古書整理ボランティア活動」。B5判93ページで活動内容の経緯などを記した。

 同寺の安念道雄住職は「長年の調査で歴史ある寺であることを再確認する機会となり感謝している」、尾田理事長は「20年以上続けてきた活動を終え感慨深い。今後も寺の文化財を支える活動を続ける」と話した。

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