福井県坂井市の越前松島水族館で、ふ化したばかりのミズダコの赤ちゃんが展示されている。体長1センチほどで8本の腕を動かして浮上したり、沈んだりする愛らしい姿が見られる。
ミズダコは成長すると大きいもので体長約3メートル、重さ30キロ以上になる。同館は毎年近海で雌のミズダコを捕まえ、産卵、ふ化、飼育に挑んでいる。今年は母ダコ1匹が6月に数千の卵を生んだ。母ダコはふ化まで半年あまり餌を食べずに、卵に海水を吹きかけたり卵の表面の汚れを取ったりして世話をしていた。
数日前にふ化が始まり、同館おさかな館の特別水槽で稚ダコ数十匹を展示。稚ダコは半透明で、小さな吸盤のついた腕を動かして水中をフワフワと上昇。その後ゆっくりと沈む動作を繰り返している。
ミズダコの生態はよく分かっておらず、同館での稚ダコの飼育歴は長くても3カ月ほど。鈴木隆史館長は「1月9日まで展示予定だが、できれば早めにかわいらしい姿を見てほしい」と話していた。