福井県大野市の県自然保護センターで5日、野鳥を間近で観察できる企画「冬の野鳥レストラン」が始まった。観察部屋の窓近くに置かれた餌を求めて野鳥が早速訪れ、待ち構えていた愛好家を喜ばせた。同センターによると、観察には雪が降った日の午前中が適している。2月28日まで。
雪が降って野鳥が餌を取れなくなる冬場に、同センターが毎年実施している。普段は警戒心が強い野鳥を至近距離で見られるとあって、愛好家から人気。2階の「森の学習室」の窓辺から観察する。
窓の外に餌場を設置し、ヒマワリの種をたっぷり準備。周囲の林にはミカンを取り付けた。この日は雪がうっすらと積もり、"常連客"のヤマガラやシジュウカラが次々と訪れてごちそうをついばんだ。珍客のゴジュウカラもやって来て、愛好家が盛んにカメラのシャッターを切っていた。
室内では集音マイクで拾った鳥のさえずりや餌を砕く音も楽しめる。
大阪府枚方市の山崎歩さん(13)は「珍しいゴジュウカラを近くで見られて良かった」と感激した様子だった。
同センターの担当者は「野鳥をこれだけ近くで見られる場所はあまりない。今後もっと雪深くなれば、さらに多くの種類の鳥が見られるだろう」と話していた。
期間中の土日、祝日は、専門家の解説を受けられる。今年のえとにちなんで絵馬に鳥の絵を描く体験もできる。問い合わせは同センター=電話0779(67)1655。