「紡ぐ記憶」をテーマに香山さんが出展した作品

「紡ぐ記憶」をテーマに香山さんが出展した作品

長野県 伊那路 祭り・催し

信州ゆかり若手作家の意欲作 伊那で公募個展始まる

信濃毎日新聞(2017年1月9日)

 県伊那文化会館(伊那市)が県内にゆかりのある20〜30代の若手作家に参加を呼び掛けた公募個展「トライアル・ギャラリー」が9日、同館で始まる。3人が出展し、個性的な油彩画や音と映像を融合させた作品などを紹介する。

 伊那市出身のムカイヤマ達也さん(38)=東京都=は「『私たちは枠の外にいたことがない』展」と銘打って19点を展示。ムカイヤマさんは、絵画の定義や条件とは何かを自問し続けており、キャンバスや机などに見える抽象画の横に、アカマツ材などを使って同じモチーフの立体作品を置いた。「『絵』という言葉の意味を考えてもらえたらいい」と話す。

 長野市出身・在住の香山洋一さん(37)は、「紡ぐ記憶」と題して44点の油彩画やアクリル画を展示。「記憶に残る景色の断片を組み合わせて、心象風景を表現した」とし、朝から夜へ移り変わる風景をびょうぶに描いた作品「ただ祈るということ」は、東日本大震災の被災地に終日思いをはせる意味を込めた。

 音と映像、写真を組み合わせた作品を、音楽の形式を示す「ソナチネ」というテーマで表現したのは岡谷市在住の川上潤治さん(36)。作曲・編曲を手掛ける川上さんは、自作の曲に合わせて七色の曲線が現れ、渦を描く映像などを紹介。オーケストラの音に合わせて立体映像が動く幻想的な作品もある。

 展示は22日までの午前9時〜午後5時(10、16日休館)。入場無料。15日午後1時半から3人による作品解説がある。問い合わせは同館(電話0265・73・8822)へ。

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