完成した四つの組子のデザインを眺める河島さん(右)と妻の亜紀さん

完成した四つの組子のデザインを眺める河島さん(右)と妻の亜紀さん

富山県 砺波・南砺・五箇山 特産

伝統の「組子」を東京で出展 3日までビッグサイト

北日本新聞(2017年2月1日)

 砺波市荒高屋の木工職人、河島隆志さん(42)は、欄間やふすまなどの建具に使われてきた日本伝統の装飾「組子(くみこ)」を、盆や額縁などの日用品向けにデザインした。木が持つぬくもりや経年美を生かし、日々の暮らしでの活用を提案している。1日から東京で開かれる暮らしとデザインのイベントに出展し、新デザインや実用例を紹介する。

 組子細工はくぎを使わずに高度な手加工で木材を組み合わせる技法。室町時代の書院造りの成立を機に発展し、和室に多く用いられてきた。

 近年は住宅の多様化で和風建築が減少し、組子を取り入れた和室も少なくなっている。担い手が高齢化している伝統技術を継承し、より手軽に組子の良さを感じてもらおうと日用品などに使える素材としての活用を考案した。

 デザインは4種類。組子と同じ意匠技法で、異なる種類の木材を埋め込む「象嵌(ぞうがん)」も用い、普段使いに適したシンプルなものにした。

 デザイン「風の音」は円形の穴に風車をイメージした三つまたの意匠を組み込んだ力作。河島さんは「見る物から使う物へ発展させたい。使う人に安らぎを与えられたらいい」と話す。

 東京ビッグサイトで3日まで開かれる「東京インターナショナル・ギフト・ショー」の「SOZAI展」に、河島さんが社長を務める「河島建具」(砺波市荒高屋)として出品し、社員で妻の亜紀さん(40)が商品を紹介する。

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