「ふるまいやながも」のイカながも丼

「ふるまいやながも」のイカながも丼

新潟県 佐渡 グルメ 特産

[海の幸冬味たっぷり]2 ナガモ 粘りと歯触りの名脇役

新潟日報(2017年2月14日)

 しゃきしゃき、ネバネバとした独特の食感が食欲をそそる海藻「ナガモ」。県内では佐渡や粟島の沿岸に根を張り、海中を揺らめく。県水産海洋研究所によると、粘り気の元となるアルギン酸には血中コレステロールを低下させる研究結果もあり、健康食品としても注目を集めている。

 正式名は「アカモク」。1月~3月の収穫期には水深5~8メートルの海底から背を伸ばし、海面に顔を出す。長いものだと10メートル以上もあり、佐渡ではナガモと呼ばれるようになった。

 約40年前から両津湾で漁を行う川上雅晴さん(77)=椿=は週に2回、海へ出る。沖合約50メートルの地点でナガモを手際良く手繰り寄せ、30分ほどで10キロの箱が3箱満杯になった。

 「さっと湯に通し、細かく刻むと粘りが出てくる。ご飯に乗せれば何杯でも食べられるよ」と川上さん。そんな漁師飯を食べられる店が両津夷の「ふるまいやながも」だ。ナガモ漁師でもある祝(ほうり)孝之さん(52)が腕を振るう。

 同店は、熱々のご飯の上に佐渡産のイカとナガモを乗せた「イカながも丼」がまさしく看板メニュー。ナガモの粘り気がイカの風味を引き立てる。祝さんは「ナガモはどんな食材にも合う名脇役。かき込むように豪快に食べてほしい」と話す。

 佐渡沖で採れたナガモは新潟市などにも出荷される。川上さんは「本州の産地と比べ、佐渡のナガモは柔らかく歯触りが良い。普段は目立たない存在だが、多くの人においしさに気付いてほしい」と願った。

〈佐渡のナガモ〉両津湾や二見半島、小佐渡の沿岸部などで天然のナガモが収穫できる。2010年度には養殖にも成功した。収穫期には生で出荷されるが、ゆでて刻んだ冷凍品は通年で販売されている。

 「ふるまいやながも」のイカながも丼は税込み500円。問い合わせは同店、0259(67)7414。

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