真田丸最終回のパブリックビューイング会場で記念撮影するファンら。台湾でも人気を呼ぶか=昨年12月、上田市

真田丸最終回のパブリックビューイング会場で記念撮影するファンら。台湾でも人気を呼ぶか=昨年12月、上田市

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真田丸、台湾「上陸」 16日から現地放送

信濃毎日新聞(2017年2月15日)

 戦国武将・真田信繁(幸村)の生涯を描いた2016年NHK大河ドラマ「真田丸」が16日から台湾で放送される。昨年、大河ドラマ効果で多くの観光客を集めた真田氏ゆかりの上田、長野両市の関係者にとって、大河ドラマ終了後の観光誘客は大きな関心事。インバウンド(海外誘客)を視野に、真田一族の物語が台湾でも人気を呼ぶか、反応に注目している。

 NHKエンタープライズ(東京)によると、台湾でケーブルチャンネルを運営するビデオランド社が放送。これまでも「軍師官兵衛」(14年)、「花燃ゆ」(15年)など多くの大河ドラマを放送している。真田丸は16日〜3月24日の平日午後10時から2話連続で放送。再放送もする。

 これを受け、上田市の母袋創一市長は「本格的なインバウンド着手の口火を切るには絶好のタイミング」と話す。15年に県内に宿泊した外国人は延べ約94万人(観光庁調べ)。国・地域別では台湾が最多の3割を占めた。台湾人旅行者増への期待は大きい。

 県外では既に台湾放送に対応する動きも出ている。真田氏ゆかりの和歌山県九度山町は南海電鉄(大阪市)と連携し、3月上旬に台湾の国際空港で観光キャンペーンを予定。「赤備え」の甲冑(かっちゅう)を空港に展示し、現地の旅行会社を訪ねることも考えている。

 母袋市長は「スキーや温泉、忍者など他の観光資源も含め上田の知名度を高めたい」とし、17年度に台湾での観光PRを検討中。長野市や県営松本空港がある松本市との連携も進めたい考えだ。

 長野市松代地区では近年、インバウンドに力を入れようと住民有志が英語の地図やパンフレットを作製。外国人客向けに弓道や抹茶などの体験メニューをそろえた。ただ、中国語への対応はこれからで、街歩きガイドを担当したNPO法人「夢空間松代のまちと心を育てる会」理事長の香山篤美さん(68)は「受け皿づくりを進めたい」と話す。

 14年に市内に宿泊した外国人客は延べ5万1千人余。うち台湾客は約4割を占めた。ながの観光コンベンションビューロー(長野市)は毎年、台湾で誘客キャンペーンを行っている。1カ月余の放送期間でどれだけ注目されるか測りかねる部分はあるとしつつ、樋口博副市長は「日本で視聴率が良かったので、誘客の一つのきっかけになるのではないか。真田ゆかりの地を見てもらえる可能性は大いにある」と話している。

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