諏訪湖の「御神渡(おみわた)り」を判定、記録している八剣神社(諏訪市)で18日、「注進奉告(ちゅうしんほうこく)祭」があり、今冬は御神渡りのない「明けの海」だったことが神前で告げられた。1月25日に全面結氷し、2013年以来の御神渡り出現が期待されたが、冷え込みが続かなかった。
氏子総代ら35人が参列。宮坂清宮司(66)は拝殿で「1月25日に全面結氷するも寒気続かず、やがて解氷して明けの海となり、神渡(みわた)りござなく候」と注進状を読み上げた。
明けの海は平成に入って20回目。今冬は全面結氷や御神渡りの出現に必要とされる最低気温氷点下10度以下の日が1月25、26日の2日のみだった。宮坂宮司は「本格的な冬の寒さを体験せずに春を迎えることは寂しい」と話した。
境内では、御神渡りが出現した場合の拝観式で使うために準備していたしめ縄を燃やす「おたき上げ」もあった。奉告祭の後、総代らは諏訪大社上社本宮(諏訪市)に出向いて注進状を奉納した。