享保雛をはじめ、多彩なひな人形が並ぶ「ギャラリー沙蔵」

享保雛をはじめ、多彩なひな人形が並ぶ「ギャラリー沙蔵」

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織物や漆塗り伝統の技凝縮 長岡「ひなものがたり」開催中

新潟日報(2017年2月20日)

 長岡市内各地のギャラリーや文化施設を会場に、ひな人形を展示するイベント「越後長岡ひなものがたり」が行われている。江戸時代から受け継がれてきた由緒ある人形や、市内の保育園児らが手作りした素朴な作品などが一足早い春の訪れを告げている。

 日本の伝統文化を受け継いでもらおうと、長岡商工会議所女性会の有志らでつくる実行委員会が主催。10回目のことしはアオーレ長岡のほか、市立科学博物館(同市幸町2)やギャラリー沙蔵(同市本町1)など46施設で展示されている。

 ギャラリー沙蔵には、何層にも重ねられた五衣が特徴的な享保雛(びな)や、獅子や牡丹(ぼたん)が描かれた華やかな織物をまとった古今雛など、200体余りが所狭しと飾られている。

 訪れた同市稲葉町の主婦(66)は「こんなにたくさんの歴史ある人形が見られるなんてすごい。ずっと大事にしてほしい」と感動した様子で話した。

 科学博物館では、長岡藩主だった牧野家が所蔵するひな人形が並び、掛け軸のような「押絵雛」が初公開されている。12代目当主だった牧野忠訓の正室、彜(つね)が布を縫い合わせるなどして作ったひな人形と、日本画家の木村武山(ぶざん)が描いた絵を組み合わせたもので、大名家の格式を感じさせる。

 ひな人形を所有する牧野家の17代目当主、牧野忠昌さん(75)は「ひな人形には織物や漆塗りといった日本の伝統技術が凝縮されている。それぞれに施された細工のすばらしさを感じてほしい」と話した。

 各会場を巡るスタンプラリーも行われている。全スタンプを集め応募すると、抽選で10人に長岡の特産品などが贈られる。また、和紙を使ったひな人形作り体験会や着物の着付け教室なども開かれる。

 開催期間は各会場によって異なる。問い合わせは長岡観光コンベンション協会、0258(32)1187。

◎絵本コーナーや飾り作り体験会 市内5地域図書館 20日から

 長岡市内の5地域図書館で20日から、ひな祭りにちなんだイベントが開かれる。互尊文庫と西地域図書館では3月8日まで、ひな祭りを題材にした絵本など約20冊を集めたコーナーが設置される。

 25日は栃尾地域図書館と互尊文庫で、26日には中之島地域図書館と互尊文庫、南地域図書館で、折り紙や和紙を使ってひな飾りを作る体験会などが開かれる。

 問い合わせは各地域図書館。

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