小矢部市の石動曳山(ひきやま)連盟は4月29日に行う石動曳山祭で、新たな試みとして石動駅前に曳山11本を勢ぞろいさせる。三井アウトレットパーク北陸小矢部の開業で駅の利用者が増加。新年度には市が駅周辺整備事業に本格着工して駅前のにぎわいづくりを目指すことに合わせ、祭りの魅力を高める。
祭りでは、一斉巡行の出発やライトアップの際に絢爛(けんらん)豪華な11本の曳山が市商工会館前に横一列に勢ぞろいするのが大きな魅力となっている。これまで駅前では近くの商店街通りで夕方、曳山が提灯(ちょうちん)山として商工会館前へ戻る際に縦1列に並ぶだけだった。
今回、駅前の住民からの要望もあり、駅前で商工会館前のように勢ぞろいできないかを検討。昨年12月の連盟の全体会議で駅正面の通りで行う案を示し、山町の代表者からは異論がなかった。
駅周辺では新年度から新しい駅施設や南北自由通路を整備する工事が始まる。今回勢ぞろいさせる通りには、商工会がまちなかのにぎわいづくりの拠点として改修する計画のビルもある。同連盟の宇田正一会長(57)は「駅からも見える場所で勢ぞろいさせることで、祭りを見に行こうと思う人が増える。今回の試みを通じて祭りをさらに盛り立てたい」と話している。