かまくらやが直営小売店に改修する元菓子店の内部=松本市大名町通り

かまくらやが直営小売店に改修する元菓子店の内部=松本市大名町通り

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遊休農地でソバ栽培「かまくらや」 4月、松本に初の直営小売店

信濃毎日新聞(2017年2月28日)

 松本市と安曇野市の遊休農地でソバを栽培するかまくらや(松本市)は4月、松本城近くの松本市大名町通りに初の直営小売店「信州SOBA(ソバ)農房 かまくらや」をオープンする。遊休農地対策や信州産そば粉の生産増加を狙って始めた事業は、農家の高齢化で請け負う農地が急拡大し、2016年のソバ生産量は110トンと単独の生産者で県内最大規模に成長。直営店で自社製の麺やそば粉を販売してブランド力を高め、収益力を強化する。

 田中浩二社長は1992年から自動車販売のスズキアリーナ松本(松本市)を経営。メーカーの完成品を売るのは利幅に限りがあり、「自分で生産する分野を持ちたい」と、09年に新事業で農業生産法人の株式会社かまくら屋を設立した。増加して社会問題となっている遊休農地を借り受け、ソバの栽培を始めた。

 当初、地主から借りたのは収穫率が上がらない山あいばかりだったが、次第に実績が地域に評価され、広く農地が集まるように。最近は年に10ヘクタールのペースで増え、16年は90ヘクタールに拡大。17年は100ヘクタールに広がる見込みだ。人員も増やし、今春は地元高校から新卒で5人を採用。そば事業だけで19人の態勢になる。

 収穫した実は製粉業者に卸すほか、自社の製粉工場や関連会社の製麺工場で粉や麺に加工。荒廃農地での栽培は収益率が低いため、田中社長は「雇用を守り、天候リスクを回避するためにも直営店の売り上げは必要。女性観光客をターゲットに、妥協せずに商品を作り込む」とする。

 昨年8月、女性の消費者を意識し、社名を柔らかい印象の「かまくらや」に変更。デザイナーの協力で3粒の実を組み合わせたロゴを作り、パッケージもシンプルなデザインに変えた。元菓子店を改装してオープンする直営店では、粉や麺のほか、自社栽培のホウレンソウやベビーリーフなどの野菜を使ったスムージーも出す。地元菓子店の協力でバウムクーヘンやまんじゅうの開発も進める。

 かまくらやの16年12月期の総収入(補助金含む)は1億1千万円。田中社長は「直営店でブランド力を高め、松本城近くに直営のそば飲食店を展開したい」としている。

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