昨年3月19日に行われ、招待客がホタルイカの幻想的な光を楽しんだ「ほたるいか海上観光」の試乗会=滑川沖

昨年3月19日に行われ、招待客がホタルイカの幻想的な光を楽しんだ「ほたるいか海上観光」の試乗会=滑川沖

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ほたるいか海上観光今季中止 関係者の調整つかず

北日本新聞(2017年3月1日)

 滑川沖で毎年行われてきた富山の春を代表する観光事業「ほたるいか海上観光」が、今季は実施されない異例の事態となった。28日に滑川市役所であった市観光協会の理事会で、早川祐一会長と上田昌孝市長が「関係者間の調整がつかず、断念した」と明らかにした。市によると、現在の形で運航が始まった1987年以来、中止は初。北陸新幹線開業3年目の県全体の観光にも痛手となりそうだ。

 ほたるいか海上観光は滑川市が市観光協会に委託し、滑川漁協の協力を得て実施。4~5月だった実施期間を北陸新幹線開業の2015年からは3月開始に前倒しした。15年シーズン中に使用船が故障し、市は約3500万円で新たな船を購入。この船で実施した昨年は悪天候が響いて運航率46%、乗船者889人にとどまり、運航率向上などが課題となっていた。

 理事会では市商工水産課が断念の経緯を説明。市と市観光協会、滑川漁協、昨年から船を運航する同市の観光船運航会社が、運航率アップや安全対策などで意見調整を続けたが合意できなかったという。具体的理由はプライバシーの問題があるとして明言しなかったが、「根本から見直すべきと判断した」と述べた。

 早川会長は「断念は市の観光に大きなマイナスになるリスクがある。力不足で大変申し訳ない」と述べ、上田市長は「(来年の再開に向け)精いっぱい努力する」とした。

 運航会社代表は「市のプロジェクトと思い、誠心誠意取り組んできた。なぜ中止なのか納得できない」と話した。

◇ほたるいか海上観光
 3月1日に解禁される滑川沖のホタルイカ漁を観光遊覧船で見学する。「富山湾の神秘」と呼ばれるホタルイカの幻想的な発光ショーを間近で見られるのが人気で、毎年予約が殺到。海外の客も多い。滑川市によると1987年以降、約6万人の観光客が訪れた。

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