2013年のモーグル全日本選手権でたいらスキー場に作られたコース=南砺市梨谷

2013年のモーグル全日本選手権でたいらスキー場に作られたコース=南砺市梨谷

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たいらスキー場、大会続々 モーグルに最適 南砺

北日本新聞(2017年3月5日)

■競技・地域振興に期待

 南砺市梨谷(平)のたいらスキー場で近年、全国規模の大会の開催が相次いでいる。雪が豊富で中止のリスクが少ないことや、全国有数のモーグルに適したゲレンデの存在など、多くの好条件が競技関係者に知られるようになったためだ。2020年の冬季国体の会場としても有望視されており、スキー場関係者はさらに多くの選手に魅力や利点を知ってもらい、競技と地域の振興につなげたい考えだ。

 たいらスキー場は1985年にオープンした。2006年に常陸宮賜杯中部日本大会が開かれると、07年に全国高校総体、13年にモーグル全日本選手権と大型の大会が開催された。15年には中部日本大会が再び開かれたほか、3月25、26日に2度目のモーグル全日本選手権を控えるなど、大会の「リピート」も相次ぐ。来年3月ごろにはJOCジュニアオリンピックカップモーグルを予定している。

 リフト3基で営業する小規模なスキー場ながら、競技関係者を引き付ける条件がそろう。県スキー連盟理事長で、たいらスキー場指定管理者の長田組の長田一政社長は、県内屈指の豪雪地で雪不足により大会が中止となる恐れが少ないこと、近くにクロスカントリーコースがあり距離種目に対応できること、東海北陸道の福光インターチェンジから車で約20分とアクセスが良いことなどを利点に挙げる。

 特にモーグルの会場としては競技関係者から「全国で3本の指に入る」との声も上がる。トップレベルの大会に適した平均斜度が30度近くある大きなゲレンデは全国でも限られ、条件を満たしていてもリフトを何本か乗り継いだ上部にあるケースが多い。一方、たいらスキー場では駐車場の目の前に同約29度で大きさも十分なゲレンデが広がる。選手が乗り継ぎなくスタート地点に向かうことができる上、運営側も資材運搬などの手間が少ない。観戦するためにわざわざスキーを着けたり、リフトに乗ったりする必要もない。

 全日本スキー連盟フリースタイル部副部長も務めた池原明県連盟同部長は「全国の選手が環境の素晴らしさを認め、練習の場としても訪れている」とし、06年まで全日本選手として活躍した新田健太郎県連盟副部長も「これだけ急で攻めがいのあるコースを作れる場所はめったにない」という。

 ひとたび大型の大会が開催されれば、選手や競技役員ら200~300人が訪れ、飲食物販売や宿泊などを通した地域経済活性化への効果は大きい。長田社長は「地域を元気にする意味でも受け入れ態勢をより充実させ、競技関係者に愛されるスキー場を目指したい」と話している。

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