砺波市内で生産されるチューリップ切り花の2016年度の出荷量は、15年度より48万本多い132万本で過去最多になる見通しとなった。県と市が生産団体のハウス増設などの整備を支援し、増産を後押ししたことが実を結んだ。
砺波市はチューリップ球根の出荷量日本一を誇る産地。切り花は4農家が生産しており、出荷量は2014年度が74万本、15年度は84万本と順調に伸びてきていた。生産にさらに力を入れようと県と市は16年度、「とやまの園芸規模拡大チャレンジ事業」として900万円を市内の2農家に補助し、ハウスや温室の増設につなげた。
生産農家は「砺波切花研究会」を組織し、12月から3月まで贈答用の花束を出荷している。インターネットでの販売に力を入れるため、16年度は地方創生推進交付金を活用した補助金を使ってネット広告を初めて出し、花に興味のある人に直接、PRした。クリスマスやバレンタインデーなどのイベント時に注文が集まり、贈答用の売上高は昨年より100万円多い約600万円に上っている。事務局を務めるJAとなみ野の松本憲一販売課長は「需要が高まってきている」と手応えを感じている。
ただ、贈答用の花束を出荷するのは現在2団体にとどまっている。松本課長は「いつでも需要に応じることができるように生産者を増やしたい」と話している。