伊那市と友好都市提携している縁で、東京都新宿区のJR新宿駅東南口駅前広場に昨年11月末に植えられた2本のタカトオコヒガンザクラが早くも開花し、大都会を行き交う人の目を引いている。
同区の新宿御苑一帯にはかつて、旧高遠藩主・内藤家の下屋敷があった。伊那市の高遠城址(じょうし)公園のタカトオコヒガンザクラは「天下第一」とも言われる伊那の象徴の一つ。植樹は新宿東口商店街振興組合が発案し、市が寄贈した。
9日、2本の桜はビル風に負けず枝いっぱいにつぼみを膨らませ、一部でピンクの小ぶりな花を咲かせていた。雑踏の中で、スマートフォンを向けて撮影する外国人観光客の姿も見られた。
友人と足を止めた都内の60代主婦は「かわいい色ですね。桜を見ると1年元気に生きられるぞ、という気持ちになります」と話していた。