ヒノキの樹皮で整えられた経蔵の軒先。職人たちが手斧を手際良く使い、余分な皮を削り取った

ヒノキの樹皮で整えられた経蔵の軒先。職人たちが手斧を手際良く使い、余分な皮を削り取った

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檜皮葺き、貴重な技を間近に 修理進む善光寺経蔵4月見学会

信濃毎日新聞(2017年3月21日)

 約260年前の建立以来という解体修理が進む長野市の善光寺経蔵(きょうぞう)(重要文化財)で、屋根のふき替え作業が続いている。本堂と同じヒノキの樹皮を重ねる「檜皮葺(ひわだぶ)き」。シートに覆われた現場周辺には、竹くぎを打ち込んで檜皮を押さえる軽快な音が響く。全国的に技術者が限られる貴重な技を多くの人に知ってほしいと、4月には一般見学会が開かれる。

 ふき替えを担うのは兵庫県の専門業者で、一定の長さにそろえた近畿産などの檜皮を使用。現在、骨組みだけになった屋根の軒先に檜皮をぶ厚く積み重ね、手斧(ちょうな)で削って整える「軒付(のきづけ)」に着手しており、重厚で美しい軒の曲線が姿を現しつつある。

 順次、約400平方メートルの屋根全体に檜皮を1センチ余りずつずらしながら重ね、竹くぎで固定していく。一度ふき替えると約40年は持つという。

 ふき替えは6月までで8月末には全体工事を終え、10月から拝観を再開する予定。2014年に始まった解体修理ではこれまでに3回、一般見学会を開いてきた。善光寺営繕部長の若麻績宗亮さん(42)は「今回は職人の手際のいい仕事を間近で見られる貴重な機会」とし、見学会への参加を呼び掛けている。

 見学会は4月17日で、午前8時15分から午後にかけて8回開く。1回20人で30分程度。参加無料。申し込みは善光寺事務局文化財課(電話026・234・3591)へ。

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