中野市街地で31日、4月1日に開かれる恒例の「中野ひな市」に向け、即売される郷土玩具「中野土人形」の展示が25日、同市中央の中野陣屋・県庁記念館で始まった。訪れた愛好家らは素朴な風合いの作品をじっくりと品定め。希望者は31日の即売会で抽選に臨み、当選すれば購入できる。
中野土人形には系統が異なる「中野人形」と「立ケ花人形」があり、計459点が並ぶ。即売会までにもう少し増え、出品数は昨年(466点)並みとなる予定。500円の小物から4万円余の大作まであり、須坂市から訪れた60代女性は「色合いもいいし、素朴で見ていて飽きない」と眺めていた。
中野人形を手掛ける市内の奈良家の5代目、久雄さん(84)はタイに乗ったえびすやトラネコなどの人形を出品。6代目の由起夫さん(47)は「熊ふみ金太郎」などの大作に加え、小ぶりの土人形を多く作った。立ケ花人形を伝える西原家5代目の久美江さん(76)は、白い着物の「天神」などの作品を並べた。
展示(無料)は30日までの午前10時〜午後4時と31日午前9時〜正午。購入する権利と順番を決める抽選会は31日午前10時から同記念館前で実施する。抽選会の参加には、当日午前9時半〜10時に現地で配る整理券が必要。当選者は午後1時から順番に購入できる。