１０日朝の県内は、上空に寒気が入り込んだ影響で各地で冷え込んだ。最低気温は全３０観測地点で９日を下回り、３月中下旬並みの所も目立った。諏訪は４月上旬並みで、午前５時６分に１・１度（平年差２・１度低）を記録。諏訪郡富士見町立沢では、冷え込みで畑に霜柱ができた。一方、松本市の松本城では桜が咲き始め、松本城管理事務所は１０日午前８時、城北側の外堀にあるソメイヨシノの開花を宣言した。

　松本城の開花宣言は、標本木を観測して判断した。今月に入って少し冷え、昨年よりも遅れたが、管理事務所の中嶋岳大所長（５６）が５～６輪の開花を確認。「待ちわびた春の到来。大勢に見ていただき、新しい生活に思いをはせてもらえたらうれしい」とした。見頃は今週末になりそう。

　本丸庭園内では一部のコヒガンザクラが三分咲き。訪れた三重県四日市市の会社員渡辺大介さん（３６）は「運良く咲いていてうれしい」と話し、写真に収めた。

　１３～２０日は午後５時半～９時に本丸庭園内を無料開放する「夜桜会」を開き、茶席や雅楽演奏、団子販売などを予定。１３～２２日は外堀の桜並木のライトアップもある。

　長野地方気象台によると、１０日朝の最低気温は長野１・０度、松本０・８度、飯田４・５度、軽井沢氷点下３・５度だった。

　１１日は、低気圧が日本の南海上を通過するため、雨で朝晩は曇りとなり、標高の高い所を中心に一部で雪が降る見込み。日中の最高気温は各地で１０日を下回り、長野１０度、松本７度、諏訪８度、軽井沢４度、飯田１１度の予想。