子どもに人気の「おばけ」シリーズ全10点も並ぶイルフ童画館の「武井武雄展」

子どもに人気の「おばけ」シリーズ全10点も並ぶイルフ童画館の「武井武雄展」

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武井武雄の世界、存分に 岡谷・イルフ童画館

信濃毎日新聞(2017年4月14日)

 岡谷市出身の童画家武井武雄(1894〜1983年)の作品を収蔵するイルフ童画館は、本年度から館内の全展示室を使って武井の作品を紹介する収蔵品展を年1回開く。市が2014、15年に武井の生誕120年を記念する全国巡回展を開催して以降、来館者が増えたといい、より大勢に武井の作品を楽しんでもらおうと企画した。

 本年度は「武井武雄展」と題し、14日から6月12日まで開く。武井が9歳で描いた鶏の墨絵から、市内の個人が所蔵する晩年の作品「鳥寄せ」までを並べ、画業をたどる。1956(昭和31)年から59年に童画の展示会で発表し、子どもに人気の「おばけ」シリーズ全10作品も展示するほか、子ども向けの雑誌に掲載された童画も用意した。

 日本図書設計家協会は3月、書籍の装丁などのイラスト「装画」の作者を対象とする第4回東京装画賞を武井に贈った。収蔵品展ではこれを記念し、武井が手掛けた装画として、71年と72年の小学館の漢字辞典、信濃教育会が57年に出版した小学6年生向け国語教科書のそれぞれの表紙絵なども紹介する。

 武井の生誕120年を記念した全国巡回展は、東京や横浜市、姉妹都市の群馬県富岡市など計8会場で開催し、計10万人余が訪れた。巡回展をきっかけにイルフ童画館を訪れた人も目立つといい、同館は「武井作品を楽しみに訪れる人に、存分に味わってもらいたい」としている。

 学芸員の斎藤正恵さん(32)は「童画に限らない幅広い分野で長年描き続けた武井の功績を再認識する機会にしてほしい」と話している。「童画の日」の5月8日は入館無料。水曜休館。

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