蒸気を上げて力強く走るミニSL。乗り込んだ子どもたちが笑顔を見せた=長岡市籠田の熊野神社

蒸気を上げて力強く走るミニSL。乗り込んだ子どもたちが笑顔を見せた=長岡市籠田の熊野神社

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ミニSL10年ぶり勇姿 地域の盛り上げけん引 和島

新潟日報(2017年4月24日)

 かわいらしい蒸気機関車(SL)が帰ってきた。長岡市和島地域の住民グループ「椿の森倶楽部」が、地元の鉄道愛好家が保有するミニSLを約10年ぶりに復活させた。和島出身の久須美秀三郎らが創設した越後鉄道(現JR越後線)の歴史を伝え、地域を盛り上げようと企画。20日には、地元の熊野神社で試乗会を開いた。煙を吐きながら力強く走る姿に、子どもたちが夢中になった。今後は要望に応じて随時走らせる。

 ミニSLを保有しているのは同市東保内の元教師、佐藤昭一さん(90)。越後鉄道を走るSLに魅せられ、鉄道模型やミニSLを手掛けてきた。

 今回復活させたのは、佐藤さんが約30年前に製作した「OS・T5-SUPER」。実物の9分の1のスケールで、実物同様に石炭と水を使い蒸気で走る。

 以前は地元の祭りなどで走らせ、鉄道ファンや地元の子どもたちに愛された。佐藤さんが高齢になったことなどから2007年に一般向けの走行は休止したが、その後も整備を続けてきた。

 椿の森倶楽部は、越後鉄道が来年創設105周年を迎えることに合わせ、地域の内外から人を呼び込もうと復活を計画。市の補助金を活用して熊野神社境内に約90メートルの線路を作り、神社がある一帯の呼び名「椿の森」にちなんだ「つばきのもり」の駅名看板も設置した。

 試乗会にはメンバーのほか、ミニSLの復活を心待ちにしていた住民や和島幼稚園児23人が集まった。運転士となった佐藤さんは「こうして走っている姿を見ると気分がいい。要望があれば貸し出し、安全に運行したい」と目を細めた。

 子どもたちは、迫力満点で走る車両に歓声を上げて乗り込んだ。幼児(5)は「カーブが楽しかった。また乗りたい」と笑顔で話した。椿の森倶楽部の小林公司さん(67)は「大勢の人に喜んでもらえてよかった。神社を交流の場にしていきたい」と話した。

 ミニSLは要望があれば無料で走らせる。問い合わせは小林さん、090(4097)1718。

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