しなの鉄道(上田市)は20日、鉄道ファンに「湘南色」と呼ばれ、人気がある緑とオレンジに塗装した115系車両の臨時列車を、戸倉(千曲市)―軽井沢(北佐久郡軽井沢町)間で往復運行した。戸倉駅での出発式にはカメラを手にしたファンが詰め掛け、公募で選ばれた小学生の「こども駅長」4人が列車に出発の合図を送った。
今年10月の開業20周年と、7〜9月にJRや県内自治体が展開する大型誘客事業「信州デスティネーションキャンペーン(DC)」を盛り上げようと、3編成を順次「懐かしの車体カラー」に塗り替えている。第1弾は4月にお披露目した「初代長野色」で、湘南色は第2弾。
湘南色は、旧国鉄が1950年に東海道線の湘南地域を走る列車に採用し、各地に広がった。しなの鉄道も2013年に引退した169系の一部に採用したほか、JRの乗り入れ車両の一部に湘南色があった。だが2015年以降は乗り入れがなくなり、見ることはなくなっていた。
湘南色の車両は臨時列車の運行後、通常ダイヤに組み込まれた。特別色の第3弾は7月29日に登場予定で、どんな色かは明らかにしていない。