寄贈された象山の掛け軸を見る降幡さん

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象山書画、生誕地に帰る 長野市に175点、9月公開へ

信濃毎日新聞(2017年5月26日)

 長野市は25日、幕末の思想家として知られる旧松代藩士、佐久間象山(1811〜64年)の書画や書状など175点が都内の古美術商から寄贈されたと発表した。旧藩士宮本家の出身で、象山作品の鑑定の権威だった宮本仲(1856〜1936)のコレクションにあることは記録に残っていたが、長らく所在が分かっていなかった。

 寄贈作品の一つ「孔子図賛(ずさん)」は、絹に孔子の水墨画と象山が詠んだ漢詩が記されている。服のしわまで細かい筆致で描かれており、作品を管理する市松代文化施設等管理事務所によると、象山が描いた山水の水墨画は見つかっているが、人物画は珍しいという。象山自作の漢詩には、孔子の徳を褒めたたえる意味が込められているという。

 国の海防論などを記した「省〓録(せいけんろく)」の一句が記された掛け軸もあった。象山を祭った象山神社の碑文にも同様の一句が記されており、同事務所は、碑文の原本とみている。

 同事務所によると、孔子図賛は宮本仲コレクションの一つとして昭和初期の図録に記載がある。宮本家からは1985(昭和60)年、所蔵していた江戸〜明治期の帳簿や書状など約2200点の寄贈を受けているが、その際には今回の作品群はなかった。

 経緯は不明だが、東京・日本橋の古美術店「不言堂」の創始者として知られる坂本五郎さんがこれらを所蔵。昨年92歳で亡くなる前に、「(象山の)生誕地に寄贈したい」と話していたといい、遺族が坂本さんの遺志をかなえた。今年3月に遺族から市に寄贈の申し出があり、今月19日付で受けた。

 降幡浩樹学芸員は「象山コレクションとして、質量ともに日本一の寄贈を受けた。保存状態も大変素晴らしい。坂本さんの遺志に従って、大勢の人に見てもらえるよう活用したい」と説明。象山記念館と真田宝物館で9〜12月に特別展を開き、寄贈作品を一般公開する予定という。

 象山は江戸に砲術・兵学の塾を開き、勝海舟や吉田松陰、坂本龍馬らを教えたことなどで知られる。同事務所は、象山に関する書画や陣羽織など約330点の資料を所蔵している。

(〓は、保の木が荒の草カンムリと亡を取り、下に言)

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