伊那谷にサクランボ狩りの季節がやって来た。近年、中京圏を中心に人気といい、下伊那郡高森町の農園には5日も多くの人が訪れ、「ルビーみたい」などと言いながら、赤く色付いた実を味わっていた。
同町には昨年、10年前の3倍以上に上る8393人が農園に来園した。この日午前、同町牛牧の下村農園には岐阜県や愛知県からのツアー客35人ほどが到着。頭上に張り巡らされた「佐藤錦」や適度な甘酸っぱさが特徴の「正光錦(せいこうにしき)」の枝から実をもぎ取り、次々と口に運んだ。
初めて訪れた片山佳子(よしこ)さん(52)=愛知県知多市=は「みずみずしくて爽やか」と50個以上を平らげ、「絶対もう一度来ます」。春先の低温などで例年より生育は遅めだが、園主の下村光芳さん(74)は「好天が続けば1週間後にはさらに味がのってくる」と期待していた。
町内では10農園が受け入れる。問い合わせは町営農支援センターゆうき(電話0265・35・3044)へ。