木曽町観光協会と王滝村の王滝観光総合事務所は、地域の観光戦略を担う推進組織「DMO」の「木曽おんたけ観光局」を発足させ、5日、業務を始めた。木曽地方は欧米の人に人気があるといい、旅行商品を開発してもらうためイギリス、ドイツ、スペインから旅行代理店関係者や写真家計13人を招待。同日から3泊4日で各地を案内する。
同観光局の呼び掛けで、木曽町、王滝村の住民ら約60人が、同町のJR木曽福島駅に到着した一行を小旗などを振って出迎えた。園児もちぎり絵で御嶽山を表現した紙のメダルを関係者の首にかけ、英語で「ようこそ木曽へ」とあいさつした。
一行はその後、岐阜県中津川市の馬籠宿から南木曽町の妻籠宿までを歩いた。馬籠宿では「すばらしい景色」「どんな生活をしているのかしら」などと言いながら、宿場や周りの山などにカメラを向けた。ドイツから来たレト・レゴさん(59)は「ヨーロッパの人たちは自然や文化、もてなし、歩くことなどがそろったこういう地域を気に入ると思う」と話した。夜は王滝村での歓迎パーティーに出席した。
木曽おんたけ観光局は昨年5月に観光庁のDMOの制度に登録され、今年4月に一般社団法人となった。今後、木曽福島駅前の観光案内所を改修して事務所にする。御嶽山への信仰に関する旅行商品などを考えながら、両町村を核に木曽谷に滞在する観光客を増やしていくという。
同観光局で観光戦略のチーフとなった山中貴史さん(38)は「一気に大勢の観光客を呼ぶというより、ゆっくりと来る人を増やすことを目指したい」と話していた。