フズリナ化石が露出している場所を見学する住民ら=2015年5月、飯田市南信濃

フズリナ化石が露出している場所を見学する住民ら=2015年5月、飯田市南信濃

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南アで最古級と判明 南信濃で発見、原生動物の化石

信濃毎日新聞(2017年6月7日)

 飯田市南信濃で見つかっていた原生動物フズリナの化石について、市美術博物館専門研究員の坂本正夫さんらが、南アルプスでは最古級の約2億6千万年前の化石だと確認した。九州から関東にかけて続く「中央構造線」の太平洋側に分布する地質「黒瀬川帯」で見られる種類といい、日本列島の生い立ちを知る資料として、24日に同館で開く自然地質講座で紹介する。

 フズリナは、古生代(3億6千万年〜2億5千万年前)の海中に生息していた有孔虫と呼ばれる動物プランクトンの仲間で、数千種類が知られている。

 坂本さんは40年近く前、同市南信濃の石灰岩が露出した場所でこの化石を見つけていた。南アでは他に見つかっておらず、後に新潟大名誉教授の長谷川美行さん(古生物学)に鑑定を依頼。2015年になって、フズリナの一種「ヤベイナヒゴエンシスコバヤシ」と分かった。

 長谷川さんによると、この種は黒瀬川帯でよく見つかるといい、中央構造線沿いの九州や千葉県などでも採取例がある。これを踏まえて坂本さんは、発見した南信濃の石灰岩層も黒瀬川帯の一部と推定。同市上村、南信濃では主に中生代(約2億5千万年〜約6500万年)より新しい地層が分布しており、南アでの黒瀬川帯の確認は初めてとしている。

 黒瀬川帯は、プレート(岩盤)の沈み込みに伴って活動した中央構造線沿いに、海にたまった堆積物が陸側へ押し付けられた岩石に挟まれるように分布している。坂本さんは「今回の石灰岩も大陸移動の過程でわずかに残った岩石とみられる。隆起の激しい中部地方で見つかるのは珍しい」と話している。

 自然地質講座は同館講堂で午後1時半〜3時半。参加無料。問い合わせは同館(電話0265・22・8118)へ。

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