伊丹さんが再現したかしわ餅「信州大柏餅」。忘れがたい福島の味だ

伊丹さんが再現したかしわ餅「信州大柏餅」。忘れがたい福島の味だ

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福島と信州、甘味で結ぶ 震災で茅野に移転の菓子店

信濃毎日新聞(2017年6月13日)

 東日本大震災で被災し、福島県須賀川市から茅野市に移って菓子店「信州大黒屋」を開いた伊丹由貴夫さん(56)が、同県いわき市にある実家の菓子店「菓匠梅月」の看板商品、かしわ餅を再現した。オヤマボクチ(ヤマゴボウ)をつなぎに使うのが特徴。14日に「信州大柏餅(だいはくもち)」と名付けて発売する予定だ。

 伊丹さんの父、片寄(かたよせ)清次さん(87)の菓匠梅月は、2011年3月の大震災で浸水し、火も出て全焼した。約1年後にいわき市内で再出発したが、伊丹さんは「高齢の父がいつまで元気か不安だったし、地元の名物を茅野の人にも食べてほしい」と、今年5月下旬、実家に戻って2日間、父にかしわ餅作りを学んだ。

 オヤマボクチは飯山市などでそばのつなぎにも使われ、かしわ餅に入れるともちもちした食感が増す。伊丹さんが茅野の店で売り出すことを伝えると、片寄さんは「そうか」。言葉は少なかったが、うれしそうだったという。

 いわき市より内陸の須賀川市で「大黒屋」を営んでいた妻の実家に婿入りし、腕を振るっていた伊丹さんだったが、大震災でその大黒屋も破損。東京電力福島第1原発の事故もあって、知人のつてで茅野市に一家で逃れた。この地で根付くと決め、店を再開して7月で6年になる。伊丹さんは「福島のことを思わない日はない。長野と福島を結ぶ菓子になってほしい」と願っている。

 信州大柏餅は3個入り480円(税込み)。問い合わせは信州大黒屋(電話0266・82・5230)へ。

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