五箇山がモデルの新作「永久への言葉」の傍らに立つ中島さん。9月に県水墨美術館で開く個展で披露する=静岡県熱海市のアトリエ

五箇山がモデルの新作「永久への言葉」の傍らに立つ中島さん。9月に県水墨美術館で開く個展で披露する=静岡県熱海市のアトリエ

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中島潔さん、五箇山舞台に新作 9月、県水墨美術館で個展

北日本新聞(2017年6月25日)

 ぬくもりあふれる童画で人気の画家、中島潔さん(静岡県)が、県水墨美術館で9月に開く個展に向けた新作を完成させた。南砺市五箇山での取材を基に合掌造り集落でたたずむ若い女性を描き、優しく切ない独自の雰囲気に仕上がった。中島さんは「人とのつながりや自然の恵みなど、現代人が守るべき大切なことを伝えたい」と話している。

 中島さんは、1943年佐賀県生まれ。ノスタルジックな童画や80年代に手掛けたNHK「みんなのうた」の絵で知られる。

 新作のタイトルは「永久(とわ)への言葉」。深いに雪に囲まれた合掌造りの民家を背景に、赤と青の衣服をまとった女性が、愁いを含んだ瞳で遠くを見つめる。制作期間は約1カ月。中島さんにしては大きい50号の作品で、顔彩と岩絵の具で描いた。

 取材で五箇山を訪れたのは今年3月。「厳しい環境の中で、助け合いながら生活してきたのだろう。人と人との強い結びつきを感じた」と振り返る。この時の印象が深く心に刻まれ、富山を象徴する場所として五箇山を題材に選んだという。「世界遺産とは建物や風景のことだけではなく、そこで暮らしてきた人々の生きざまそのもの」と語り、いつまでも受け継がれるものであってほしいという願いをタイトルに込めた。

 個展「京都六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)"心音図(こころねず)"奉納記念 中島潔"今″を生きる―そして伝えたいこと」は、北日本新聞社と同美術館でつくる実行委員会主催。今回の新作のほか、2015年に京都六道珍皇寺に奉納した連作「心音図」や初期の代表作など約100点を展示する。9月15日から11月5日まで。

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